産後うつ病について教えてください
産後うつ病について教えてください
産後うつ病はおよそ10%の罹患率があり、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴え、産後3か月以内に発症することが多いです。マタニティブルーズが通常は1-2週間でおさまるのに対し、症状は2週間以上持続します。マタニティブルーズがあった女性は産後うつ病発症のリスクが高まると言われています。発症の背景要因として、うつ病の既往の他、パートナーからのサポート不足など育児環境要因による影響も大きいとされています。妊娠中から不安やうつの問題がおこっている場合も少なくないため、妊娠中からケアを行う必要があります。
2019年現在、産後うつ病の早期発見と支援のため、産後の健診(産婦健康診査事業)によるEPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)を用いたスクリーニングが開始されております。EPDSでは診断することはできないので、うつ病の診断には精神科医の診断が必要となります。自殺念慮がある場合、自責感が強い場合、家事や育児などが行えない場合などは精神科医の受診が必要です。そして治療には薬物療法だけでなく、パートナーをはじめとした家族や、医療スタッフ、地域の保健師などとの連携が重要となります。
図. 妊産婦メンタルヘルスのスクリーニングの必要性
(妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル~産後ケアへの切れ目ない支援に向けて~
公益財団法人 日本産婦人科医会 平成29年7月 より)